相続に関する手続きは、弁護士さん、司法書士さん、税理士さん、われわれ行政書士が行うことができます。
しかしそれぞれにできることとできないことがあって、いったい誰に頼めばいいの?という疑問を持たれると思います。
そこで行政書士が相続手続きでできることについてお伝えしたいと思います。
遺言書がない場合の相続手続きの流れ
1.法定相続人の確定
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2.相続財産の確定
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3.3か月以内に相続放棄の検討/手続き
(放棄すると負債を相続せずに済みますが、預貯金などプラスの遺産も相続できなくなります。ご注意ください。)
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4.相続する場合は遺産分割協議
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5.遺産の名義変更手続き
参考:相続手続きの流れ
行政書士ができること
- 相続人の調査
- 財産の調査/財産目録の作成
- 金融機関での手続き
- 相続関係説明図の作成
- 遺産分割協議書の作成
- 自動車の名義変更
ご依頼者さまの委任状が無くても職務上の請求で戸籍謄本類の取り寄せることができます。
故人の出生から亡くなるまでの戸籍謄本類をすべて取り寄せて相続人を確定します。
法定相続人は配偶者+子供ですが、子供がいない場合は配偶者+直系尊属になります。
また、子供も直系尊属もいない場合は配偶者+兄弟姉妹が相続人です。
もし、兄弟姉妹が先に亡くなっていた場合はその子供(甥・姪)が相続人となります。
相続人が増えるとその分、戸籍等の収集量が増え、かなりの作業量になりますのでわれわれ専門家にご依頼いただくと安心です。
預貯金がどの金融機関にあるのか、加入していた保険の有無、不動産はどのくらいあるのかなど調査することが可能です。
調査した結果、確定した財産を一覧にした財産目録を作成します。
財産目録があると、遺産分割協議の時など相続人全員が遺産について把握しやすいので説明しやすくなります。
相続が発生したことがわかると金融機関は口座を凍結してしまいます。
預貯金や有価証券などの解約や名義変更の手続きが必要になります。
相続人の調査結果をもとにして確定した相続人一覧である「相続関係説明図」を作成します。
相続関係説明図は家系図のようなもので、一目で誰が相続人でどのような関係なのかがわかる資料です。
相続手続きの際、法務局や裁判所、税理士さんなどにいちいち誰が相続人なのかを戸籍謄本で説明するのは困難ですし、相手にもわかりづらいので相続人が確定したら作成します。
相続人全員で争いがなく確定した場合、遺産分割協議書を作成します。
遺産分割協議書とは、どの遺産を誰が相続するのかという遺産の分け方を相続人全員が合意したことの証拠となる書類です。
この書類により、後々のトラブルを回避することができますが、1人でも協議内容に納得しない人がいると成立しません。
相続では、この遺産分割協議書の作成が肝となります。
※争いがある場合は、弁護士さんしか対応することができませんのでご紹介いたします。
相続財産の中に自動車がある場合、その名義を相続人へ変更する必要があります。
※土地や建物などの不動産の名義変更については、行政書士は業務としておこなえませんので司法書士さんと連携いたします。
まとめ
遺言書がある場合、遺言書作成時に相続人や相続財産の確定は済んでいるので、相続が発生した時には遺言書の検認手続きと遺産の名義変更手続きのみになります。
ただし、公正証書による遺言と法務局に保管されている自筆証書遺言の場合は、検認の必要はありませんが自筆証書遺言の場合は遺言書の内容が有効であるかどうかはまた別の問題です。
遺言書については、改めて別の記事でご説明します。
以上のように、争いになった場合は弁護士さん、不動産登記の変更手続きは司法書士さん、相続税など税金に関することは税理士さんにお願いすることになりますが、それ以外の手続きは行政書士がおこなうことができます。
相続手続きは、もちろんすべてご自分で行うことも可能ですし、実際にご自分でされた方々も周りにいらっしゃいますが、皆さんかなり大変だったとお話しされています。
相続人が多くなると集める書類も、連絡を取らなければいけない人も多くなり、かなりの時間と手間がかかります。
弁護士さんや司法書士さん、税理士さんとも連携できますので、相続手続きが発生した際の窓口として行政書士にご相談いただければと思います。
全ての手続きではなく、部分的にご依頼いただいても構いません。
各手続きの報酬額については報酬額表をごらんください。
行政書士には守秘義務があります。
安心してご相談ください。